トレーダーにはお馴染みのチャートツールMT4、とその改良版MT5。
MT4を改良されてつくられたMT5は、当然より使いやすい機能の追加や動きの軽さ、そしてスマホやタブレットでもフル活用できるように今の時代に合った仕様となっています。
しかし、古くからMT4を使用しているトレーダーはMT5に乗り換えずにMT4のままだという人も少なくありません。
今回は、その理由となっている「MT4とMT5の違い」や「結局どっちが良いの?」ということがわかるようにまとめました。
もしこれから導入する方やバイナリーオプションでのトレードが多い方などはMT5一択でも良いのではないかと感じていますので、ぜひ参考にしてみてください。
MT4とMT5の違いがわかれば良いという方は、「3. MT4とMT5の違いは?」から読み始めてください。1.2.は基礎情報になります。
MT4/MT5とは?
MT(メタトレーダー)とは、MetaQuotes Software社が開発した無料で使えるチャートツールです。
メタトレーダーにはMT4とMT5の2種類があり、MT4に改良を加えた最新版として、2011年にMT5がリリースされました。
メタトレーダーには、テクニカル分析をする上で必要な便利なインディケータが標準搭載されています。
これだけ多くのインディケータが標準装備(MT5)
しかもインディケータはアプリのように自作することができ、世界中で活発に開発され続けています。
自作インディケータは一般公開もできますから、膨大な数ある自作インディケータの中から自分に合ったものを見つけ自由に追加することもできます。
当然、自分独自の手法がある方は、その手法にあったインディケータやEA(自動売買ツール)を開発して使うこともできるのです。
これらがメタトレーダーが広く普及した最も大きな要因の1つです。
そして今日では、FXやバイナリーオプションのような為替相場のトレードをしている人のほとんどが、MT4かMT5どちらかのチャートツールを使用しています。
MT4やMT5を使う理由は?
勝率の高いトレードを行うには必須であるテクニカル分析をするためです。
MT4やMT5には、テクニカル分析をする上で必要な機能が標準で多数備わっており、これがMT4やMT5を使用する理由です。
もちろん、国内のFX口座などを開設すると業者毎に独自のチャートツールが使える場合もあります。
しかし、機能の多さや独自性、使いやすさを考えると、フリーソフトであるMT4やMT5に軍配が上がり、多くがメタトレーダーを使用しているのです。
また、バイナリーオプション業者が提供しているチャートは、値動きを判断するには一切役に立ちません。
よって、バイナリーオプショントレーダーはチャート分析をMT4やMT5で行い、エントリーを業者の画面で行うという2弾構えとなります。
MT4とMT5の違いは?
MT4とMT5の違いを表にまとめました。
まったく異なる画期的な機能追加などはありませんが、MT5の方が細かい部分でより使いやすくなっています。
また、動作が速くなった点に関しては、エントリーポイントのズレの解消、大事な場面での決済などで大きく効果を発揮するでしょう。
特にバイナリーオプションは短い時間での勝負のため、ほんの少しの値幅のズレで負けてしまうこともありますから、正確にエントリーポイントを把握するためにもとても重要なポイントです。
MT4 | MT5 | |
動作スピード | 遅い | 速い |
時間足の数 | 9種類 | 21種類 |
気配値表示 | 2種類 | 4種類 |
ナビゲーターウィンドウ | 整理しにくい | 整理しやすく使いやすい |
カスタムインディケータの種類 | 多い(MT4専用のみ使用可能) | 少ない(MT5専用のみ使用可能) |
自動売買ツール(EA)の種類 | 多い(MT4専用のみ使用可能) | 少ない(MT5専用のみ使用可能) |
対応している海外FX業者 | ほぼどの業者も対応 | 一部の業者のみ対応 |
開発元の動向 | 開発終了? | 積極的に開発(推している) |
※両建て、ストラテジーテスターはMT4だけの機能でしたが、2016年からMT5でも対応となったようです。
以下、それぞれの詳細です。
動作スピード
MT4よりもMT5の方が動作スピードが速いです。
実際使い比べてみると、確かにMT5の方がストレスなく使え、サクサク快適だと感じます。
動作スピードが速くなった分メモリ消費量が増加しているため、スペックの高いPCが必要だと言われています。
しかし、私のPCは10年前のものと古いですが、特に困ることなく使用できています。
時間足の数
MT4の時間足(9種類)
1分足、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足
に対して
MT5の時間足(21種類)
1分足、2分足、3分足、4分足、5分足、6分足、10分足、12分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、3時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足、日足、週足、月足
と時間足の数が2倍以上に増えています。
バイナリーオプションでは取引時間が限られていて短いため、短い時間足が豊富なMT5は非常に便利です。
私は10分足が入ったことがとても助かっています。
気配値表示
気配値表示で表示される項目に、「詳細」「プライスボード」の2種類が追加となりました。
バイナリーオプションではあまり使わず、重要ではないので詳細は省きます。
ナビゲーターウィンドウ
MT5ではインディケータがフォルダでまとまりすっきりしました。
さらに自分で新規フォルダを作成して管理できるようにもなりました。
一見たいした改良ではなさそうですが、私はけっこううれしかったりしています。
カスタムインディケータ、EA(自動売買ツール)
カスタムインディケータ、EA共に誰でも開発ができ、開発したものは無料で一般公開できるようになっています。
しかし、MT4とMT5はそもそも互換性がなく、まったく異なるプラットフォームです。
ポイント
MT4で使っていたカスタムインディケータやEAはMT5で使えず、MT5で使っているカスタムインディケータやEAも当然MT4で使えません。
この互換性がない点が、MT4ユーザーがMT5に積極的に乗り換えない大きな理由の1つです。
今まで行っていたトレードスタイルを変える必要が出てくるかもしれないからです。
また、MT5のカスタムインディケータ/EAの開発難易度はMT4よりも高いため、なかなかMT5独自のカスタムインディケータ/EAの数が増えていかない状態でもあります。
※MT4とMT5で互換性がないことや、カスタムインディケータやEAの開発難易度が高い理由は、MT4がMQL4、MT5がMQL5であるためです。
対応している海外FX業者
MT4はほぼすべてのFX業者がメインプラットフォームとしている反面、MT5に対応している業者はまだまだ一部です。
この理由にはやはりユーザー数が関係していて、互換性などの理由からMT4をそのまま継続して使用している人がまだまだ多いため、業者もMT5の対応にあまり積極的ではありません。
ただ近年、大手海外ブローカーを筆頭に徐々にMT5に対応していく動きを見せています。
※MT5に対応している業者は少ないですが、XMがMT5に対応しているのでまったく困ることはありません。私もXMでMT5を使用しています。
開発元の動向
開発元であるMetaQuotes Software社は、圧倒的にMT5を推しています。
その理由は、近年のアップデート頻度がMT5の方が断然多いのと、ダウンロード項目にMT4がないからです。
むしろMT4の開発はほぼ終了しているのかなとも思わせられます。
結局...MT4とMT5はどっちが良いの?
MT4が適している方
・今まで使っているMT4のインディケータやEAを引き続き使用したい方(MT5と互換性がないため)
・MT5未対応の海外FX業者を使いたい方(FXトレーダー)
・かなりの低スペックPCの方(私の場合は10年前のPCでも特に問題なし)
MT5が適している方
・これからメタトレーダーを導入する方(わざわざ旧バージョンのMT4を選ぶ理由がまったくありません)
・バイナリーオプショントレーダーの方(MT5に標準搭載されているインディケータで十分過ぎるため。短時間勝負のため正確なエントリーポイント把握するのに動作スピードが速い方が良いため。時間足が多いと便利なため)
・スマホやタブレットでメタトレーダーを使用することが多い方
・高スペックのPCの方(現在のPCスペックであれば断然MT5です。その性能をしっかり発揮してくれます)
まとめ
今回の記事では、「MT4とMT5はどっちが良いの?」という特に初心者の方の多くが抱いている疑問を解消するため、違いや開発元の動向から今後を考え、考察しながらまとめてみました。
結論としては、特別な理由がない限りはMT5の使用をおススメします。
みなさんご存知のように、インターネット業界の進化のスピードは非常にはやいです。
今では、10年前では考えられないくらい動画が普及し、処理をするためのPCは最新版であればあるほど良くなっています。
また、使うソフトも日々進化し、アプリはどんどんアップデートを繰り返しています。
このようなことから、使用するツールやアプリは、なるべく早く最上位版を適応するべきです。
開発元の意向がMT5推しであるので、MT4のアップデートはもう進まないということも考えられます。
しかし、これだけMT4ユーザーがいる中、近い未来でMT4が使用できなくなるということは考えにくいのです。
ですので、カスタムインディケータやEAを引き続き使用したい場合、使いたい海外FX業者が決まっていてそのFX業者がMT5に対応していないなど、何か理由がある場合は無理にMT5を優先する必要はありません。
まだ迷っている方や、今回の記事を読んでみて「MT5で進めてみよう!」と思った方は、ぜひ下の記事を読んでみてください。
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